年度末が近づいてくると職員の退職話が出てくる時期です。
その時に聞かれる質問なのですが、健康保険を任意継続したらお得になるのか?国民健康保険と比べていくら安くなるのか?との質問を頂きます。
国民健康保険料の金額は所得や扶養家族構成により人それぞれなので、そんな質問をされても困ります。
なのでお得かどうかはお住いの市町村役場で国民健康保険料の見積もりをお願いを促すのと、任意継続申請用紙や協会けんぽの連絡先を渡しての対応しかできませんね。
正直、任意継続の手続きは個人でするものなので僕はよく分かりません。しかし任意継続の制度についてはたまに問い合わせを受けるので少し調べてみました。
結果的にどちらがお得なんでしょうね?
最初僕は、任意継続より国民健康保険加入の方が安いと考えていましたが、人によっては任意継続がお得な場合もあるんですね。
健康保険任意継続制度
仕事を退職した場合は社会保険の資格を喪失し、国民健康保険の制度へ加入しなければなりません。しかし加入者本人がそのまま社会保険の健康保険制度(協会けんぽ)を継続できる制度です。
任意継続は社会保険の資格喪失する退職日の翌日から20日以内までにご自身で手続きをする必要があります。
僕の場合は任意継続を希望する職員から相談があれば、任意継続の申請用紙をプリントしたり、協会けんぽの連絡を教えて対応しています。それで僕のできる事は終了です。
何故任意継続を希望するのか?
何故任意継続を希望するのか?
折角なので僕なりにメリットを調べてみました。
ちなみに次の就職先が決まってる場合、新しい勤め先で社会保険に加入するので関係ない話です。
任意継続した場合の健康保険料の計算は簡単です。今給与天引きされている健康保険料と介護保険料(40歳以上から徴収)の2倍となります。ご存知かと思いますが、社会保険の半分は事業主が負担してくれます。任意継続をすると事業主負担がなくなるので加入者が全て支払わなくてはいけません。
国民健康保険の保険料はその方の前年度の所得や健康保険扶養の人数で料金が変わります。
任意継続手続きをする前に、一度お住いの市町村役場の国民健康保険課へ出向き、国民健康保険料の見積もりをしましょう。もし家族を国民健康保険の扶養として加入するなら更に金額が上がります。正式な金額を確認し、控えましょう。
それで国民健康保険と協会けんぽの保険料を比較し、安い方を選択すればいいんじゃないでしょうか?
ちなみに任意継続の加入期間は2年まで、現在は制度が改正されて途中で国民健康保険へ切り替える事も可能なようです。
おそらく国民健康保険料と協会けんぽの健康保険料はそんなに乖離してないはずです。
しかし任意継続を考えている方が、配偶者や子供などを健康保険の扶養に入れているなら話が変わります。国民健康保険は1人1人保険料の負担があり、国民健康保険加入者の人数により世帯の国民健康保険料が上がります。
しかし社会保険の任意継続は扶養家族も加入させる事ができ、健康保険料の金額も上がる事はありません。
なので扶養家族がいるなら任意継続をした方がお得になるケースもあるようですね。
僕も昔、仕事を辞めて親の国民健康保険の扶養に入れてもらいましたが、保険料が跳ね上がったと親に怒られた事があります。その時は申し訳ないことをしました・・・
月途中で退職したら社会保険料はどうなるの?通常任意継続をしている時は傷病手当金を貰う事ができません。しかし在職中に傷病手当金を貰ってる途中に退職をした場合、任意継続をする事によって傷病手当金を継続して貰う事ができます。
仕事を退職しても傷病手当金を貰い続けるには?なので傷病手当金が切れた後、仕事を探しながら失業手当を申請するとなお美味しいですね。毎月健康保険料と雇用保険料を徴収されているので、僕達も使える制度は使いましょう。
失業手当の待機期間が大幅に短縮されるみたいだね通常だと費用のかかる健康診断ですが任意継続をした場合、年に一度ならお得な金額で受けられる事ができます。在職中の健康診断は事業主が負担してましたが、任意継続中は事業主が払っていた健康診断料を加入者が負担する事になります。
令和5年度の金額なら健康診断料が最高5,282円と格安です。これで血液検査やバリウム検査、胸部レントゲンなどが受けられますよ。対象年齢なら付加検診も割安で追加できます。
協会けんぽ側も早期に病院を発見してもらい、早めに治療する事で医療費削減のメリットがありますね。
協会けんぽの付加検診対象年齢が増えるよあとがき
退職する職員がたまに任意継続の手続きを聞きにくるのでその制度は気になって調べてみました。
任意継続をすると加入者の健康保険料負担が2倍になるので、国民健康保険へ切り替えた方が良いと考えていましたが、人によってはそうではないのですね。
例えば扶養する家族の人数によっては任意継続の方が保険料が安くなるかもしれませんので、まずは市町村役場の国民健康保険課で、国民健康保険へ加入した場合の金額を見積もりされると良いでしょう。
現在は制度も変わり、任意継続の途中で国民健康保険へ切り替える事も可能なようです。国民健康保険は前年度の所得で金額が変わると思いますので、任意継続中でも年度の切り替わりタイミングで再度国民健康保険料を見積もるといいかもしれませんね。